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イギリスの椅子に関する用語解説
こちらの記事では、
はじめてイギリスのアンティーク椅子を
購入しようとされる方向けに、
どのような種類があるのかご紹介すると共に、
それぞれの特徴を解説したいと思います。



椅子の名前の由来に関する
ちょっとした蘊蓄もご紹介しますので、
椅子選びの参考にしてみてください。




インレイドチェアー(Inlaid Chair)
インレイドチェアーch10k

インレイ(象嵌細工)を施した椅子のこと。
象嵌細工とは、
木材に他の木材をはめこむ(マルケットリー)、
または金属、べっこう、象牙などを
はめこんだ(インタルジア)細工のことです。




クイーンアンチェアー
クイーンアンチェアーch3m

アン王女時代(1702~1714)の様式の椅子で、
カブリオールレッグ(猫足)が特徴。
曲線模様を多く使った背板と、
角をとって丸みを帯びたフォルムが特徴です。



アン王女時代には、別名・耳付き椅子
とも呼ばれるウィングチェアーも誕生しています。


ウィングチェアーには、
頭を持たせる背もたれ部分がついていますが、
背もたれの両サイドに、
羽が飛び出したような形の「耳」があることから、
この名がつきました。

もともと、この「耳」は、
暖炉の火から顔を守るために付けられたそうです。




バルーンバックチェアー(Balloon-Back Chair)

バルーンバックチェアch1005

フランスで18世紀後半に登場した、
気球(バルーン)のような弧を描いた背もたれの椅子。
イギリスでは、
ヴィクトリア女王時代(ヴィクトリアン)に作られました。




エドワーディアンチェアー(Edwardian Chair)

エドワード7世時代(1901~1910)の様式の椅子です。
エドワーディアンは、
新古典様式とジョージアン様式などを
リバイバルした様式で、
同時代のアールヌーヴォーや
アーツ・アンド・クラフツの影響も受けています。



重厚で装飾的なヴィクトリアンの反動で、
シンプルさや軽さが特徴の様式です。



エドワーディアンチェアーは、
新古典様式時代の家具デザイナー,
トーマス・シェラトン(1751~1806)の影響を受け、
直線的で簡素なラインや機能性を重視した椅子で、
先細り(テーパード)の脚が特徴です。



ベントウッドアームチェアー(Bent Wood Arm Chair)

ベントウッドチェアーは
「曲げ木細工の椅子」という意味。
ベントウッドは、
オーストリアのミヒャエル・トーネットが
1830年代に開発した技法です。



そのため、別名・トーネット・チェアー
とも呼ばれています。
軽くて丈夫なため、カフェなどで使われていました。
ベントウッドアームチェアーは、
ひじ掛けがついたタイプの椅子です。
通常のベントウッドチェアーよりも座面が広く、
強度にも優れています。



オットマン(Ottoman)

ソファーや椅子の前に置いて、
伸ばした足を乗せるために使うスツール。
または、クッション張りの長椅子を指すこともあり、
こちらはトルコから18世紀にイギリスに伝わったため、
当時のトルコの名称であるオスマン帝国が名前の由来となっています。


スツール(Stool)

アイアンスツールch19m

背もたれやひじ掛けのない1人掛けの椅子。
布張りの背の低いタイプは、
ドレッサーの椅子として使われることが多いです。


木製の背の高いタイプ(ハイスツール)は、
バーのカウンターなどで使われています。



セティー(Settee)
シェラトンスタイルセティーch1m

2人掛け以上の長椅子で、
それぞれに背もたれおよび、両端にひじ掛けがついているもの。
シート部分はクッション性があり、布張りのケースが多いです。



シェーズロング(Chaise Longue)

セッティーに似ていますが、
2人掛け以上の長椅子で、
片側だけに背もたれとひじ掛けがついているもの。
足を伸ばして、横になることができます。


チェスターフィールド
(セッティー、ソファー)
(Chesterfield (Settee, Sofa)

背もたれとひじ掛けが同じ高さのソファー兼寝椅子。
チェスターフィールドは、
第4代チェスターフィールド伯爵である
フィリップ・スタンホープ卿(1694~1773)
が依頼したのがきっかけで作られたといわれています。


伯爵はスーツにしわをつけずに
座れる椅子を職人に注文したそう。
チェスターフィールドは、
革張りで、ボタンニング(鋲を打たれている)
されているのが特徴です。


チェスターフィールドには、
キャスター付きのデスクチェアーや
ロッキングチェアーなどの種類もあります。


ウィンザーチェアー(Windsor chair)

ホイールバックウィンザーアームチェアch2004

18世紀のはじめにウィンザー城周辺で作られたため、
この名がついたという説が有力。
弓型のボウバックと櫛型のコームバックという、
2タイプの背の形があります。


以上、イギリスの主なアンティーク椅子の
用語について解説致しました。

もし、この記事を読んで、
イギリスのアンティーク椅子に興味を持たれたら、
気になる商品を当Webサイトでチェックしてみてくださいね。
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